きづかなかった

わたし、どうやら報われない恋を長い間しているようだ

はじまりのときのことはもう覚えていないけど

それはもう随分と前のことのようにおもう

細く長く続いてゆくことがあまり好きではない性分だけれど

(いつだってしあわせでおなかいっぱいでいたいとおもうから)

きっとこの恋はそういうものになるだろう気配がする

湖がシンシンと冷えて、うすい氷の膜が表面にできてゆく

夜をこえるごとに氷の膜がおおきくおおきく、あつく、湖いっぱいにひろがる

しかし春はこない

氷の膜が陽のひかりにあたためられて溶けることはない

春は、こないんだなー

かといって

それと知って続いているわけだから別段なんの問題があるわけでもない

さあさあ、夢のつづきをまたみましょう